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ウールマークを目じるしにあなたの好みの高級ウールを

近代日本の面影
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この広告は、国際羊毛事務局(IWS)が「主婦の友」1965年2月号52頁に掲載したものです。事務局の住所や電話番号はなく、東京都港区赤坂局区内として私書箱を設置していたようです。

ウールマークというと私の小学生だった頃、1980年頃によく聞いた言葉です。ついベルマークと混ざってしまいます。1960年代にはウールマークの商標が確立していたことが、この広告から分かりました。

ウールシャリー製品:ウールマーク」に述べたように、ウールマークの広告には化学繊維に対抗しようという意思があるように思われます。

今回紹介する広告には「ウールの七不思議」が明記されています。

ウールマークを目じるしにあなたの好みの高級ウールを

広告リード文をみてみましょう。

ウールマークを目じるしにあなたの好みの高級ウールを安心しておもとめください。
自然の神秘だけがつくることのできる素晴らしい感触と誇らしい風合い、それは<ウールの七ふしぎ>といわれる特製の組み合わせから生まれています。「主婦の友」主婦の友社、1965年2月号52頁

これらウールの七不思議は次のとおりです。

  1. 冬に暖かく夏に涼しい
  2. 仕立て上がりが美しい
  3. 着心地が素晴らしい
  4. 豊かな色合い
  5. 皺になりにくい
  6. 蒸れる感じがない
  7. 汚れにくい

出典 「主婦の友」主婦の友社、1965年2月号52頁

ウールシャリー製品:ウールマーク」に紹介したように、ウールマークにはオール・ニュー・ウール(ALL NEW WOOL)というフレーズが付いています。

下の広告からも明らかです。

ウールマークにはオール・ニュー・ウール(ALL NEW WOOL)というフレーズが付されています。「主婦の友」主婦の友社、1965年2月号52頁

オール・ニュー・ウールとオール・ウール

ウールマークのフレーズ「オール・ニュー・ウール」(ALL NEW WOOL)に対し、「主婦の友」主婦の友社、1965年2月号45頁には次のようなフレーズが着物店「しょうざん」の広告に出ています。

ふだん着のつもりで…
気がねなく、まったくふだん着のつもりで、どこへでもジャンジャンお召しいただいていい外出着です。一見ラフな地風のなかに深い色調と、小粋な味わいが秘められているのが特長です。生地は≪しょうざん≫がとくに選んだ≪ウール≫の最高級品。着こなせば着こなすほど、その良さがわかっていただけようというものです。
● ALL WOOL ● ALL WOOL ●「主婦の友」主婦の友社、1965年2月号45頁

結婚したら「主婦の友」主婦の友社、1965年2月号45頁。

着ればわかるという消費者低位型広告の典型です。

とにかく、この広告は、オール・ウール(ALL WOOL)というフレーズが2回も出てきます。自作自演のウールです。ウールマークに比べて国際基準のない自社自演。

といってもウールマークが国際的な自組合自演だともいえるわけですが、しょうざんがフレーズを意識して消費者の錯覚購入(ウールマークだ!という錯覚)に委ねている点は否定しがたいです。

また、同じ雑誌の同じ号に掲載された二つの広告がオール・ニュー・ウールとオール・ウールとを謳っている点からは、モノマネ関係だけでなく対化学繊維という意思がはたらいているのも確かでしょう。

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