本書は『日本のポスター:明治・大正・昭和』の姉妹編として企画・編集された妹バージョンです。
ラベルは上方文庫のコレクションを中心に編集。
総ページ数は319頁。1頁あたり1点から5点ほどのラベルをカラーで紹介しています。
文庫本なので手軽に明治・大正・昭和のラベルを楽しめます。
日本のラベル:明治・大正・昭和
1997年に京都書院アーツコレクションのシリーズで刊行されていた『日本のラベル』を改訂・新装本で刊行したのがこのラベル集。
マッチのラベルは多すぎるとのことで本書には収録せず別の本にまとめたとのことで、項目別の目次は薬、酒、煙草などが中心になっていきます。
まえがきによると、ラベル(商標)はポスターと違ってコレクションが豊富とのこと。というのも、1884年に登録商標法が発布されてから、商標ラベルの取締や権利保護の意識が高まっていたからだそうです。
これに関して本書の見方ですが、商標登録年を基準に時期区分をしているので、明治と書いてあるラベルが印刷された時期が大正だったりする点は要注意です。
コメントと補足
『日本のポスター』もそうですがオールカラーがうれしいです。
ラベルは商品にくっついていたのですから、当時の貿易事情もよくみえてきます。コレクションの中心が明治とのこともあって、輸入品のラベルまで楽しめるのはお得感あり。
他方、明治が中心ですからイラストも相応にホラー感が増していきます。やっぱり大正ロマンや昭和モダンの方が楽しめる印象。
「日本のポスター:明治・大正・昭和」にも紹介した「クラブコスメチックス」関連でいえば、こちらのラベルには3点が掲載されています。

三好一『日本のラベル:明治・大正・昭和』紫紅社文庫、2010年、285頁。
- クラブ白粉
- クラブ香油
- クラブ乳液
このうちクラブ乳液には双子らしき女子のイラスト。
『日本のポスター』とは違って本書には各項目の冒頭に少し説明が書いてあります。といっても、もう少し説明がほしいところですが。
コメント